ふきのとう

倉庫へ行く途中、部落で唯一の八百屋の前にある自動販売機前で車を止め、コーヒーを買う。
自動販売機の後ろから「よお!」という声。
熊撃ちのおやじがにっこりと笑っている。
開いた口から疎らな歯がのぞく。
「仕事か」
「うん、これから倉庫に行くとこ、あんたは」
「失業中。林業センターの嘱託社員は、11月から3月まではみんな失業よ」
「半年働いて半年遊ぶって最高だ」
「馬鹿野郎!」と言いながらおやじが笑う。
「岩魚どうだった」と僕。
「ちびっこいのばっかりで駄目よ」とまた笑う。
「今年は春が早いね」と明るい声が聞こえた。八百屋のおばさんだ。
見ると裏の畑にでふきのとうを採っている。
いつもなら3月末まで雪に覆われる大地。
それがすっかり顔を出して、陽光を浴びている。
ふきのとうは黒々とした大地で笑う。
僕も笑った。「さあ、仕事だ」

コメント

  1. おせどり夫婦 より:

    お久しぶりです。お元気そうでなによりです。わたし達も楽しくやってます。またどこかで会えたらうれしいですね(笑)

  2. クロム より:

    本当にお久しぶりですね。
    名古屋でお会いしたのは4年ぐらい前でしょうか。
    万が一富山においでの節は是非ご連絡ください。

  3. syuichi より:

    いやああ、1年間冬眠されていたのかと思いました(笑)
    今年も富山で仕事があってまた立山を望むのが楽しみです。

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