僕の家には、僕を含めて3人と2匹の住人がいるんだ。
ローズは古本屋の女主人。僕のお世話をしてくれる、命の恩人だ。
クロムはその旦那さんで、一応このブログの持ち主、ローズと二人で古本屋さんをやっている。
サキは中学3年生の女の子。僕がこの家に来られたのは、隣の家の女の子と仲の良かったサキのお陰だ。
そして、僕の義理のお姉さんのクー。
僕が初めてこの家に来た頃、クーは僕をぺろぺろなめ回し、夜になったらいつも一緒に添い寝してくれた。おっぱいは飲ませてもらえなかったけど、小さい頃の僕のお母さん代わりで、色んな事を教えてくれたんだ。
だけど、僕がどんどん大きくなり、クーよりも大きくなってしまった頃から、僕が近づくと「ウ~」て唸り声を上げるようになって、一緒に遊んでくれなくなったんだ。それどころか、最近ではどうやら僕の事を嫌っているらしく、僕が近づくと、ものすごく怖い顔をして、どこかへいってしまうんだ。
別に、僕は何も悪い事はしてないと思うんだけど、どうにもこうにも、取り付く島もないって感じなんだ。
大分前になるけど、クロムが僕とクーを抱っこして、体重計に乗っていたことがあったんだ。そして、何かものすごく難しい計算をして、僕とクーの体重を調べたらしい。確か引き算とかいう計算で、足し算を完全にマスターした者だけに許された、難しい計算らしいんだ。
それで分かった事は、僕の体重が7.5kg。クーの体重が3.5kgだということ。そこでクロムは、僕なんかには想像もつかない「割り算」とかいう計算の末に、僕の体重がクーの体重の約2倍という事を解明してしまった。ネコにとってはノーベル賞並みの快挙だ。どうやらクロムは頭がいいらしい。
僕の体重がクーの2倍もあるから、クーが怖がっているのかもしれないけど、体重が重いから嫌われるなんて、僕にはなんだか信じられない。だけど、理由はともかく、クーに嫌われている事だけは間違いない事実なんだ。
僕は、人間とはうまくいっているのに、同じ仲間とはどうもうまくいかない。時々、家の外に出る事があったんだけど、外にいる猫は、僕よりもっとでかいんだけど、友達になろうと寄っていくと、クーと同じように「ウー」って唸るんだ。それでも、友達になろうと近づいていくと、突然、前足のつめで引っかかれて、おまけに足までかまれてしまったんだ。
どうも、猫というやつは人間のようにはいかない扱いにくい動物だ。僕も猫なんだけど、猫の気持ちがとんとつかめない。猫に生まれたのが僕の最大のミステイクかもしれない。
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