古本楽々買取とプラサード書店のしおり

先日、楽々買取で山梨の方から400冊ほどの本が送られてきました。
私が関東地方に仕入れに行っている間の事でした。
店主ローズからの連絡によると私好みの本が沢山あるらしいとの事。どんな本が入っているのか楽しみにしながら帰宅。8箱の本に入っていたのものは洋書も含め多義に渡りますが、カウンターカルチャーや自然の匂いのするものが主でした。白州正子や詩集も何点かあり、明らかに所有者の強い個性が感じられる本の数々でした。
かなり古い本や、傷みのある本もありましたが、ダンボールを開けるたびに顔がほころんできます。
めるくまーる書店から出ているインディアン関連の本を清掃していると、懐かしい「プラサード書店」のしおりが何枚も出てきます。30年前に私自身がよく通った本屋でした。どこの駅かは失念しましたが、阿佐ヶ谷か荻窪か、中央線沿線にあったはずです。ひょっとして今もまだ生き延びているんだろうか?と驚いてしまいました。
小さく狭い書店。棚数も10棚程度の書店。そんな狭い空間にカウンターカルチャーの本がぎっしり詰まっていた書店。本を送ってくれた人も私と同年代かなと思ったら私よりも17歳も若い女性の方でした。
「聖老人」を初めとする今は亡き山尾三省の著作が数冊出てきた時には本を送ってくださったお客様が旧知の親友であるかのような錯覚さえ覚えた程です。
はてさて、好きな本と、その本が高く売れるかはまったく別の問題です。自分ならいくらで買い取るか。ざっと見て売れそうも無い本が150冊。何とか売れそうな本が200冊。かなりよさそうな本が50冊。洋書の20冊ほどはいまひとつ見当が付かないが悪くはない気がする。
3万円から4万円の間なら出せそうかなというのが私の答えでした。
さっそく、買取ソフトに入力、バーコードの無いものもありかなり時間がかかってしまいましたが、登録してしまえば10分ほどで買取価格が決まります。買取ソフトがはじいた買取金額は4万円強。私の値踏みより強気の結果が返ってきました。どうやら私どもの買取ソフトは洋書に甘いようです。
本の傷み具合からすれば、町の大型新古書店の綺麗・汚いの査定にかかれば全部で1万円にもならない本、下手をすれば捨てられてしまうような素晴らしい本。そんな本達が私どもの倉庫の棚に並び次の読者を待っています。
ただし、どんな本でも私どもに送っていただければ高く買取できるわけでもありません。3年以上経過した小説やマンガ本はコアなものや全巻そろいでない限りは、単行本であれ文庫本であれ町の新古書店と変わらないか、場合によればそれ以下の買取価格でしか買い取る事ができない場合もあります。
お客様の読書傾向に個性があればあるほど、又、専門性が高ければ高いほど町の新古書店での買い取り価格との差が広がっていくようです。

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