出張買取の値付け

当店では宅配便による「楽々買取」と直接出向く「出張買取」をやっています。「楽々買取」はデータベースに連動しているのでアルバイトでも正確な買取価格を出すことができます。
ところが、出張買取ではアルバイトに気軽にやってもらうわけには行きません。ベテランの店長が出向けば良いのですが、弊店では店長見習い3年目の私が一手に引き受けています。
「出張買取」では、商談が成立することもあれば、納得いただけずに不成立の事もあります。こちらとしては精一杯値付けをしているつもりですがご期待にこたえられない場合もあるわけです。
数百冊の本なら30分以内、2000冊程度でも1時間程度で買取価格をご案内しています。
頭の中に全ての本の市場価格が入っているわけではありませんし、入っているとしても1点1点確認していたのではこの時間では到底間に合いません。何をもって買取値段を決めているのかといわれると「感」としか答えられません。
いい加減な、と思われるかもしれませんが、3年間で4万冊の古本を販売した「感」が買取価格を決めているわけです。
具体的に頭の中で何をやっているかというと、「売れない本」「何とか売れそうな本」「売れる本」「面白そうな本」と4種類に色分けしているような気がします。「面白そうな本」というのは過去に高く売れた本又は同系列の本という事になります。出版数だけで数百万冊という数の本ですから、過去に売れた本というよりは同系列の本が「面白そうな本」の大半です。もちろん「面白そうな本」と思って買い取った本がネット上では1円本だったということもしばしばあります。しかし、半数以上はそれなりの値段が付きます。
この「面白そうな本」の見極めが古本屋の生命線だと思っています。この見極めができればできるほど、お客様に高い買取価格を提示できるからです。買取価格は「面白そうな本」と「売れない本」のバランスで決まるので「面白そうな本」の目利きが古本屋の命というわけです。
「面白そうな本」って何なのかと言われると、「はて、何だろう?」と考えてしまいますが、基本的には専門性の高い本と言うことになるでしょうか。
たぶん、お客様の本箱の中身が数年前までの小説のベストセラーの単行本、文庫やコミックで埋まっていたとすると、私にとって「面白そうな本」があまり無いという事になります。たぶん買取価格は町の新古書店とそんなに変わりが無いかもしれません。
でも、その中に将棋についての結構まとまった蔵書がある、フラメンコについての本がある、アニメが好きでアニメ関係の本が沢山ある。教養関係の書籍、宗教、哲学、経済、生物、宇宙、歴史、美術関係の単行本、新書、文庫があるという事になれば、それはきっと「面白そうな本」の一部となります。
大学でかなり勉強した人の本箱は「面白そうな本」が沢山あります。法律事務所、会計事務所など専門的な職種の事務所にも「面白そうな本」が沢山あります。
本だけに限らずCD、DVDがあれば通常、買取価格は上がります。
当日の私の気分によっても多少は違うかもしれません。(笑い)
そんな「感」で買ってきた本ですが、最終的には私どもの「買取ソフト」に入力して売りに出す本、処分する本を決めることになります。
不思議なことに「買取ソフト」の出力する買取金額と私がお客様に提示する金額に大きな差は無いようです。
よく考えてみれば「買取ソフト」のプログラミングをしたのは私ですから、差があまり無いのも当然かもしれませんが・・・。

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