福島県 金山町 大塩温泉共同浴場

7月に来た時は工事中で入れなかった大塩温泉。8月中旬からのオープンで早速行ってきた。
6台程度止められる駐車場はほぼ満員だった。温泉の前には小さな温泉前神社があり、そちらにも車が数台停められるスペースがある。温泉はオープンしているが、外構等まだ工事が続いているらしい。
真新しい入口を開けると、こじんまりした玄関。中に入るといきなり左手方向に幅1間程度の檜の階段を降りることになる。突き当りには受付、300円以上の協力金を払って入るようだ。土日祝祭日は受付におばさんがいる。ひとしきり洪水の話をする。まぼろしの湯、100年前からある元祖まぼろしの湯の話を聞いた。4月から5月ぐらいまで、水位が上がった時だけに現れるらしい。しっかりとした湯舟もある。今年の春には県外の愛好家が掃除用具を持参して、浴槽をきれいに掃除して入っていったとか、知る人ぞ知る温泉マニア人気スポットらしい。
新しいお風呂は、水害前より3.5m高い位置に作られた分だけお湯の出が若干悪くなったらしい。
100年以上前に作られた露天の大塩の湯からは10m近く高い位置にある。
受け受けの右側には8畳程度の板の間とその奥に8畳程度の畳の間。座卓が2つ、テレビが1台。
コーヒーとお茶が自由に飲める。砂糖にクリープも用意され、熱いお湯の入ったポットがおいてある。
受付で回れ右をして廊下を入っていくと男湯と女湯。きれいなトイレももちろんついている。
暖簾をくぐって更衣室に入ると棚にかごが10篭程度、貴重品のロッカーが4つ。ドライヤーもついている。
浴室に入ると左手奥に露天風呂に入るドア。右手壁にはからんが2つ、奥の方にはシャワーもついていいて。そちらの方がお湯の出が良いようだ。ゆったり定員4人程度の黄褐色の温泉につかる、かなりのぬる湯だ。39度程度か。ありがたい。
先客は地元で中学まで暮らした人で、いろいろ教えてもらった。どうやら源泉温度は38.5度程度で、10~5月は過熱しているらしい。夏場はもう少し湯温が低いかもしれない。お湯を飲んでみたが、近くにある大塩の炭酸泉の井戸から汲んだ水と同じ、金気味がする炭酸泉だ。かなり塩味もする。
いくらでも入っていられる炭酸泉のぬる湯がここの売りだろう。
新築のこじんまりした共同浴場。以前の鄙びた景観が失われて一抹の寂しさを感じるが、温泉マニア以外の人間、地元の人たちには大歓迎らしい。新築費用は百数十人の組合員の出資もあったらしいが、電力会社からの補償金、町の補助にて結構賄えたらしい。
先ほど露天風呂と書いたが、期待してはいけない。窓を挟んで内湯と反対側に1畳程度のコンクリートの浴槽があるだけで、まだ使われていない。まだ工事の途中なのか、危険なのか、お湯の出が悪いので利用を控えているのか詳細は分からない。眺望が効く感じで利用できれば面白いかもしれないが、すぐ前が10m程度の高低差のある崖になっているので、安全対策を考えすぎると、眺望が犠牲になるかもしれない。
平日の昼間に来ればこのゆったりとした空間を独占できるかもしれない。何にもないけど、本とおにぎりを持ってきて、半日のんびり過ごしたい温泉だ。
同じ252号線沼田街道の会津坂下寄り10km程度のところに湯倉温泉共同浴場がある。一足先に新築された共同浴場だが施設も泉質も甲乙つけがたい魅力がある。ぬる湯好きは大塩、あつ湯好きは湯倉が良いだろう。あつ湯といっても、私でも十分入れる温度だ。
現在10月12日(体育の日)午後6時。館内には私一人、先ほどまでいた受付のおばさんも帰っていった。ニュースではラグビーワールドカップでの日本の活躍を報じている。連休の最終日とはいえ、人っ子一人いない新築の大塩共同浴場で、先ほど帰っていった新潟の元気のいいおばさんにもらったずんだ大福をほおばる。煎茶とともにおいしくいただいた。ありがとう大塩温泉とゆきずりの温泉人。
それにしても、温泉地でつながらない事の多いソフトバンクは使えない。AU、ドコモは使えているのに。
営業時間 7:30~21:00 11月~3月(8:30~20:00)
定休日 なし
施設 5
泉質 5 ナトリュウム-塩化物・炭酸水素塩温泉
露天 あり 

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